いわゆるミニマリスト

シンガポールは安心安全、衛生面も(比較的)清潔で、全体的に暮らしやすい住みよい街だと思うんですが、衣食住でいうところの、住環境がとてもきつい。ワンルームという概念がなく(最近増えてきた)、家族単位で住む団地スタイルの住居が一般的なので、基本的にシェアハウス生活。団地の3LDKで3人暮らし、など。それでも光熱費wifi込みで8万円くらい。共同生活で、アジアで、この値段はなかなかきつい。きついのが値段だけならまだがんばれるけど、大家さんがきつかったりしたらそれはもう耐えられない。賃貸契約を結んだあとに、生活音に対して「静かにして」、リビングや水回りの掃除を押し付けてきたり、マスターキーでこっそり部屋に入ってるような部屋の不信感、などなど。大家さんのペットの犬が一晩中リビングで吠えて走り回って眠れない、という友人もいた。それは事前に確認しなかった友人もよくないと思うけど。デポジットとして1ヶ月分、いわゆる敷金みたいな金額を預けているから、勝手に出ていったらデポジットは返ってこない。お金払ってるのはこちらなのに、ペットの犬より立場が弱い。きつい。

そんな私は3年間どんなところに住んでいたかというと、最初の半年はいわゆるバックパッカー用のゲストハウス。女性専用4人部屋のひとつのベッドで半年暮らしてました。それで一ヶ月5万円くらいだった。ある日突然思い立って、ネットの賃貸情報を必死になって探したのが今の部屋。古くて狭いけど、MRTの改札から徒歩5分、週に2回はメイドのおばちゃんが共同スペースを掃除に来てくれて、大家さんは車で30分以上かかる遠くに住んでるので干渉されることもなくて。部屋にいるときはエアコン常時稼働させて、月額68000円くらいでしょうか。共同生活としては安くないけど、通勤時間20分で日当り良好、大家さん親切、自分のスペース(畳で言ったら4畳半くらい)だけ気にかけておけばよし、というお手頃・お手軽な生活でした。

最初はしぶしぶ慣れたこの住環境で私が変わったのは、何も所有しなくていいという気持ちの軽さ。家電もエアコンも故障したら大家さんが修理を呼んでくれたり買い替えたりしてくれて(ひどい大家さんの場合、無視して放置されることも)各種掃除グッズもメイドのおばちゃんが管理してくれるので、私の部屋にあるのはミニモップとおそうじシートのみ。クローゼットは小さいので、よし、ここに入る分量の服で生活しよう、と決める。常夏なので秋冬の服はいらず、衣替えもない。水が悪いのか洗濯機が古いのか、洗濯を繰り返すたびに安いシャツやパンツはガサガサになって色褪せる。ZARAやH&Mなどのファストファッションのお店で安いTシャツを買ったら、狭いクローゼットの端に追いやられて出番のない服は捨てる。買ったら捨てる。捨てたら、またいつか買える。そのサイクルをゆっくり回す。白いTシャツでも、毎年カットやスタイルが流行に合わせて微妙に違うから、定期的に買い替えた方がいいって、何かのファッションの本で読んだ。そうか、流行を追うには自分のクローゼットのサイクルを回し続ければいいのか、と30越えてやっと分かりかけた。まだまだオシャレはよく分からないけど。

というわけで、シンガポールで3年暮らしたら、いわゆるミニマリストになれましたというお話。

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