バゴーと現実

→道なき道を進んで

バゴーでの2人乗りツアー。ガイドブックのバゴーのページに載ってる名所を回りたい、とお願いしたものの。2人乗りで移動中に何か話しかけてくれて、おそらく何か提案してくれているんだろうけど、お互いオッケーオッケーしか言わないので、いつの間にかおすすめローカルツアーになってました。両側3車線の大通りから、土埃がもうもうと舞う舗装されてない道へ入り、曲がって、曲がって、のどかな何もない田舎道を走るスクーター。うん?私、だまされてる?この辺でおろされてお金要求されたら払うしかない、のか?でもgoogle mapがあればなんとか、ならない?とちょっと不安になりましたが、1本道の先に巨大なブッタ像が見えてきました。マジかよ。まゆ毛はすっきり、妖艶というか眠たげというかな半目はアイラインでばっちり囲まれ、真っ赤なくちびる。アジアのお寺は派手に飾るというか、日本が質素というかありのままを好むというか、文化の違いは面白い。そしてそこからどんどんおまかせコースに進んで行きます。赤土の道をぐいぐい、道?というような森の一部をショートカットしたり、その道の両脇にずーっと並んでいる簡素な木製の家々。道端でボールで遊ぶ子供たち。2人乗りのスクーターをじっと見てきて、目があったりしました。スクーターが、2人乗りが、珍しいかね?と思ったら、律儀にヘルメットをかぶっていたにいちゃんが、自分のヘルメットを私にさしだし、お前がかぶっとけ、とのこと。おお。優しい。サンキューと受け取ってしっとりあたたかいヘルメットを被りました。透明なカバーで顔が隠れます。そうか、子どもたちが珍しいのはスクーターでも2人乗りでもなく、この平たい日本人顔の私が後ろに乗ってることなのか、とふと思いました。ガクガクと上下する土の道があぶないからかぶっとけ、と言われたのか、珍しい客を連れて注目されるのが恥ずかしいから顔を隠してくれ、と言われたのか、そのどちらも意味もあったのか、真意は分からないままですが、親切だと思って、渡された以降はありがたくヘルメットを被ってました。

→今回の旅の一番の衝撃

いくつかの観光スポットに立ち寄り(もはやどこの何という場所なのかローカルすぎて分からない)、さあ次いくぞ、とお決まりのヘルメットを手渡され、おまかせのままに田舎道を走っていたその時に、目の前に現れたのは、ゴミの山。そして、そのゴミ山で遊んでいる子供たち。さらにその先には黄金のパゴダ。ゴミの山は私の身長よりもずっとうず高く、広く、連なっていて、目と鼻を突き抜ける異臭を放っていました。テレビで見ていた遠い国の現実が、今まさにこのタイミングで私の現実と一瞬でも重なるなんて。その先にあるパゴダに到着し、スクーターからおろしてもらい、参拝している間も、パゴダはこんなに整備されてピカピカなのに、そのふもとにはあの光景が広がっていて、そのどちらもバゴーの生活そのものなんだな、と。ゴミ山についてにいちゃんに聞きたかったけど、それまでちょこちょこガイドしてくれたりなんか話してくれてたのに、ゴミ山の前では無口になった気がして、聞けませんでした。答えてくれなかったり、答えられなかったりしたら、お互い気まずくなるだけだろうな、とも。日本のガイドブックに載っているほどの、比較的有名な町であろうバゴーで見たローカル生活の現実。ミャンマーという国について、考えさせられました。自分の中での、とてもいい契機になった気がします。

→ヤンゴンまでの帰路はバスにしてみた

じゃあ、最後はバスターミナルでおろしてくれ、駅じゃなくて。と、にいちゃんにお願いして、おろしてもらったのはバスターミナル、ではなく、大通りの道端でした。ひとりじゃ絶対ここがバスターミナルだと分からなかった、。「ありがとう!めっちゃ楽しかった!で、3000チャットでいいんだっけ?」と3000チャット渡そうとすると「は?あんなに回ったのに?5000チャットでしょう」と最後の最後で商売っ気全開のにいちゃん。3000チャットって最初に約束したじゃない、。どんどんルート変更して名所を追加してきたのはあなたじゃない、。でもそのオリジナルツアーが面白かったのも事実、。しかし5000チャットまるっと払うのもなんか嫌だな、。うーん、とひとり脳内で考えを一巡りさせたあげく「5000チャット!無理だよー!じゃあ、4000?だめ?それなら、4500!」と交渉しまくって、4500チャットということで。約3時間で5カ所以上回ってもらい、4500チャットならまあいいや。払いながら、ヤンゴンに帰るバスはどれ?と聞いてちゃっかり案内してもらいました。公共のバスというより、10人乗りくらいのマイクロバス。ヤンゴンまで200チャットだったかな。マジかよ。100キロ約20円。ミャンマーの物価の安さには何度も何度も素直に驚きました。うーん、200チャットじゃなかったのかな、。2000チャットだったのか、。どっちでもいいくらい安くて思い出せない、。次回の旅行からは料金だけは記録しておきます、。ちなみに初日に空港を出てからピックアップトラックの荷台に乗せてもらって大通りまでで2000チャット、大通りからヤンゴン市内まで(と勘違いして思いっきり反対方向の終点)で3000チャット払ったのは私です。それぞれ200チャットと300チャットのつもりで、1000チャット札を渡していました。というか1000チャットより小さいお札を持っていなかったのです、。でもどちらも楽しくて快適だったので、社会の授業料だと思ってまあいいか、と。

→ヤンゴン行きバスの終点

マイクロバスにゴトゴト揺られて、乗ったり降りたりするローカルの人たちを見ながら、google mapで位置確認を。よしよし、この道をまっすぐ行けば、ヤンゴン市街地へ、と予想していたら、市街地のずっと手前で、プスンとバスはとまり、全員ぞろぞろ降りていく。あれ?ヤンゴン行き、ですよね?ここ、も、ああヤンゴンなんですね。降りたのは、前日がなつかしい空港付近の大通り。というかみんな目的地は同じようで、ぞろぞろと歩く列についていくと、バス停に着いて、ちょうど来た黄色いバスに乗って、300チャットを払い、ヤンゴン市内に無事に帰り着きました。午後5時くらいかな。

楽しい日帰り旅行でした。

次回は屋台飯その2と夜市を散策したお話でも。

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ゆきの

ゼロからいきなり海外転職も9年目。香港、カナダ、シンガポール、中国で現地採用、起業、さらには大学院留学まで。独学でTOEIC910取得、HSK6級合格。泣いて笑ってそれでも生活は続く、中国深センのリアルな日常を発信します。

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