私がシンガポールをやめた7つの理由

シンガポール現地採用エッセイ
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シンガポール 現地採用 3年4ヶ月

「なんでやめちゃうの? もったいない」

退職して引っ越すことを話すたびに、そう言われた。

人生初の挑戦、海外就職。

ツイッターでの出会いをきっかけに決めた行き先、シンガポール。現地で就職活動しまくって、落ちまくって泣きまくって、やっと内定とビザをもらえた当時の会社。

それから3年とちょっと。

よし、辞めよう!

そして次の場所へ行こう!

うすうす考えてて、そして決意した。

 

振り返ってみると、私がシンガポールをやめた理由はひとつじゃなくて

ひとつひとつ小さなことが積み重なっていった結果だったなあ

 

というわけで、

今回は私がシンガポールを辞めた理由をピックアップしてお届け!

 

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物価高い

3年暮らして実感したのがまずコレ。

生活コスト世界一、とも言われてて、モノの値上がりも激しかった。

どれくらいかと言うと、仕事始めた2014年に2.7ドルだったタピオカミルクティーが、仕事辞める2017年には3.2ドルになってた。

日本式の飲み会はだいたい1回1万円、2次会に行ったら5000円プラス。そして美味しくない。

あくまでも私の体感だけど、この値段でこのクオリティかあ、ってズドーンと悲しくなることしばしば。

それから家賃。

月額でだいたい3LDK30万円、4LDK40万円と言われているので、現地採用はシェアするしかない。

私が住んでた部屋は個室5畳で7万円、水道光熱費WIFIは無料、シャワートイレキッチンは共有って感じ。

大家さんが超親切な人だったけど、しょぼしょぼな部屋に帰ると無性に辛くなったこともあったなー。

キラキラ駐在員は高給に加えてコンドミニアムと呼ばれる高級マンションがタダ。それに比べて、現地採用はローカルスタッフ水準の給料に家賃自己負担。

私、家賃払うために働いてるんだっけな?なんてふと思ったり。

 

世界一の物価は、じわじわしんどかった。

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清潔で安全=つまらない

「どうだ?素晴らしい国だろう」

「安全で清潔で、安心して住めることは素晴らしい」

「お前もこの国に住むことができてラッキーだな!」

シンガポール人はシンガポールの自慢が会話の中心。

自慢の内容は主に、安心・安全・清潔であること。

お、おもしろくない…

安心で安全で清潔な場所って、つまらない場所って意味なんかなって思った。

不衛生で危険な場所がいいって意味でもない。そんなに単純じゃないけど、毎日の生活に、仕事に、人やモノとの出会いに、ワクワクすることがなくなっていった。

なんか、つまらない。

ワクワクすることがしたい。

毎日に刺激と変化と成長が欲しい。

2年目から、そんなことをはっきり思うようになった。

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シンガポール人と友達になれなかった

勉強熱心で、ボランティア活動やジム通いに勤しむ。

優しくて、観光や食事に連れ出してくれる。

でもそれは「どうだ、シンガポールはすごいだろう」というアピールが常に根底にあって、話が深まらない。

10代ほぼ全てを熾烈なテストの点数争いに費やしているからか、単なる国民性か、相手の気持ちに寄り添うことをあまりしてくれない。

あと、お酒を飲まない。酔っ払ってとことん話す、っていう場面もなかったなあ。

それから、利害関係がはっきりしてたなあ。

私を友達だと思ってくれたんじゃなくて、「俺・私の友達は日本人」っていう自分が好きなんじゃないかと。

まあこれはどの国でも外国人同士で付き合うと感じることかなー!

 

いちばん腹が立ったのは、最後だからみんなで会おうよってバーベキューを自分で企画した時に、10人以上誘って、来てくれたのは2人だけだったこと。

ほかのメンバーは既読スルーで、返信すらもらえず。

ああ、最後の一度会うだけの時間とエネルギーすらめんどくさいのか、って悲しくなった。

ちなみに日本人の友人は15人くらい来てくれた。遅くなったー!仕事がー!って最後の30分だけっていう人もいた。

会えて嬉しかったな。

 

というわけで、

自分の周りのシンガポール人とは、なかなか気が合わなかった。それが悲しかった。

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サービスに不満が爆発

いかにお金を稼ぐことを大事にするシンガポール人。プライドも高い。

なので飲食業で働いてる人は負け組、稼ぐ能力ナシっていうイメージ。

日本なら、だいたいのお店、レストラン、コンビニで接客マナーは徹底されている。レジカウンターでスマホに夢中になる店員さんはいない。

それがシンガポールにはどっさりいる。

 

注文するために呼んでも、「今サッカーいいところだから」ってテレビに夢中の店員。

しばらく我慢して待って、限界で「30分経ってるけどまだ料理こないの?」「今作ってる」確認もせず即答する店員。

片手でスマホ、片手で雑に施術するマッサージのおばちゃん。(ちゃんとやってよって何度も文句言った)

なんか家で嫌なことあったんかな、ってくらいガンガン急ブレーキ急発進を繰り返すバスの運転手。

「この時間はまっすぐ行ったら渋滞してるから、曲がって別の道にして」ってタクシーに乗って頼んだら「いいか俺はこのあたりの道を全部知ってるんだ。まっすぐがいいに決まってる」って自己主張するタクシー運転手。(その後、超渋滞にハマって約束の時間に遅れたうえに高い料金払わされた)

 

鮮やかに思い出した…そして落ち込んできた…

元気がいい時、楽しいなー!って気分の時は「アジアあるある」で笑いとばせるんだけど

疲れてる時やしんどい時、あと急いでる時にこういう嫌な対応されると、さらに落ち込んで怒るエネルギーもなくて、ただただ辛い。

たまに怒るけど、怒っても別にスッキリするわけでもないし。

 

騙したり嘘ついたりする人はいないし、英語で会話できるのありがたいけど

観光立国シンガポールの接客レベルはアジア最低水準だと思うの。

短期の観光ならいい経験・笑い話ですむけど、毎日の生活で避けて通れないとしんどかった。

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語学が停滞

シンガポールの公用語は英語。

仕事でも生活でも、基本的に全部英語。

そうなんだけど、なんだけどさあああ。

例えば日本語で、小中校で標準語で習ってきたのに、いざ現地で話したら、もんのすごい東北弁か九州弁かのような。

そういう違い。

だから自分の発音や会話も、もんのすごい東北弁か九州弁になる。いつのまにか、自然に。

発音や文法がもんのすごいことになってると気づいたのは在住3ヶ月目くらいだろうか。

1年目はそれで楽しい。通じるし、生活も仕事もできるし、周りもそうだし。

なんなら「You can speak English meh ~ You are bilingual already ! 」って褒められる。楽しい。

2年目になると、先々のことを考えて落ち込む。「いつか日本か、別の国に行って、英語で仕事してました。ビジネス英語は支障ないです」って言うのか。言えるのか? マジで?

いやコレでバイリンガルとか言えない自分!

もちろんこれは自分の怠惰によるもので、シンガポールとかシンガポール人とか関係ない!

でも毎日耳から入ったものを口から出す作業を続けた結果のこのシングリッシュ!

なんなら学校英語っぽい発音と文法で話したら、わかってくれないこともあるんだわよ!

やっぱ環境由来じゃないか!

よし、英語を鍛え直すために、やっぱりやめようシンガポール!

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燃えつきた

このあたりから、やめた理由がシンガポールとかシンガポール人というより、自分の感情によるもので。

 

そもそもシンガポールで仕事探して見つけて住み着いたのも

「海外で暮らしたい」

それ1点だけ。

タイミングと人の縁に恵まれて、それがシンガポールだっただけ。

良い高校・良い大学に入るために努力して、入ったら目標達成しちゃった感覚と全く同じ。

 

現地での面接10社以上落ちまくって、最後にやっとひろってもらえた会社での出勤初日をまだ覚えてる。

「わたし、いつまでここにいるんだろう」

内定もらってビザもらって仕事がある時点で、完結しちゃったという実感。

それから3年も続けられたのは、仕事とスタッフがホントに大好きだったから。

なんでもない商品や企業の営業とか事務だったら、1年で辞めてたんじゃないかな。

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全部まとめてリセットボタン押したくなった

「海外で働いて暮らしたい」

シンガポールでその目標は叶えた。

当時だったらきっと条件の良い転職もできた。でもしなかった。

 

シンガポールで生きていける自信はできた。じゃあシンガポール以外では?

英語は?

仕事で達成したことは?

就労ビザから永住権取得を目指してる日本人友人は何人かいたけど、私も永住したいのかな?

 

大学新卒フリーターに仕事と住む場所を提供してくれたこの国には超感謝してる。それなのに、嫌なところやつまらないところばっかり気になるようになった。

好きなだけじゃいられなくなった。

安定した毎日は不満だらけになった。

私、もっと挑戦したい。

全部リセットして、なにか新しいことがやりたい。

それがなにかはまだ分からないけど、心が決まってしまった。

 

やっぱり別れよう、私たち!

 

というわけで、

グダグダになったカップルのような結末で、私はシンガポールをやめました。

シンガポールに住んでよかったし、やめてよかったな!!!

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ゆきの

ゼロからいきなり海外転職も9年目。香港、カナダ、シンガポール、中国で現地採用、起業、さらには大学院留学まで。独学でTOEIC910取得、HSK6級合格。泣いて笑ってそれでも生活は続く、中国深センのリアルな日常を発信します。

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